エキシビション部門
アーティスト名
染谷 聡
Satoshi Someya
ミストレーシング | 琉球海景
沖縄の漆器について調べていくと、海の向こう側との関わりが見えてくる。
沖縄県立博物館が所蔵する《朱漆山水楼閣人物堆錦椀(しゅうるしさんすいろうかくじんぶつついきんわん)》は、大陸様式の山水楼閣模様が沖縄独自の技法である堆錦(ついきん)によって装飾されており、また、1963年には沖縄をあらわす工芸品として在中米軍用の3セント切手のモデルにも使われた。
「山水(楼閣)模様」は土地の風景をあらわす模様であるが、その風景は見る人によっていかようにも変わってゆく。
本作では、海に囲まれ、外部と様々に関わってきた沖縄という土地で生まれた《朱漆山水楼閣人物堆錦椀》を僕なりトレース(辿る/写す)することで、品物から垣間見えてくる物語と景色を作品にしようと思う。
展示会場
大宜味村立旧塩屋小学校
染谷 聡
PROFILE
1983年東京都生まれ、幼少期の6年間をインドネシアで暮らす。2014年京都市立芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了 博士号(美術)取得。
品物がもつ物語に関心があり、漆のシンボリズムに着目。
主に漆芸の「加飾」にみられる技法や意匠を〈装飾行為〉や〈読み物〉としての視点から広義にとらえた作品制作を行なう。
近年の展示に、「札幌国際芸術祭2020」(2020年)、「DISPLAY」(MITSUKOSHI CONTEMPORARY GALLERY、2020年)など。2015年京都市芸術新人賞受賞。